不妊のための栄養素~ビタミンD~

ビタミンDは脂溶性ビタミンで、これまでカルシウムの吸収を促進し、くる病を予防する程度の認識しかされていなかったが、近年ある種のガン、高血圧、糖尿病、肥満、花粉症、アレルギー、自己免疫疾患、精神疾患などのあらゆる病態に関与することが認められるようになってきている。

そして、不妊治療の分野においても、ビタミンDは大変注目されている栄養素なのだ。

以下に不妊におけるビタミンDの関係を「ビタミンDと生殖機能」より引用したいと思う。

  • ビタミンD欠乏雌ラットにおいて出産率が低下する。
  • ビタミンD欠乏雄ラットと交配させた雌ラット膣内の精子数がビタミンD充足ラットに比べて著しく低下している。
  • ビタミンD受容体欠損マウスは不妊を呈する。雄では精巣組織の異常、精子の運動能低下、雌では子宮重量の著しい低下がその要因とされる。
  • ヒトにおいて血中の 25(OH)D (ビタミンDの指標)濃度が高いグループほど、有意に高い精子運動率および精子前進運動率を示した。( 対象者を血清 25(OH)D 濃度が 25 nmol/L 未満, 25 ~ 50 nmol/L,50 ~ 75 nmol/L,75 nmol/L 以上の 4 グループに分けて解析した。)
  • 排卵障害の要因として知られる、多嚢胞性卵巣症候群の治療にビタミンDが効果的であるとの報告もある。
  • ビタミンDが子宮内膜に発現する受精卵の着床に必要な遺伝子の発現を誘導することが明らかにされている。
  • 実際に、306 件の体外受精におけ る胚盤胞 1 個移植を対象とした解析では,血清 25(OH) D 濃度が 20 ng/mL 未満のビタミン D 不足のグループ では血清 25(OH)D 濃度が 20 ng/mL 以上のグループに 比べ妊娠率が 13% 低いという結果が得られている 。
  • 妊娠中毒症、妊娠糖尿病、帝王切開となるリスクなどがビタミンD欠乏と関連があるとの報告もある。

「ビタミンDと生殖機能」より

このように見ると、これまで紹介してきたビタミンA、Eと同じように、 脂溶性ビタミンは不妊において大変重要な栄養素だということが理解できるだろう。

そして、その他の栄養素と同じように、女性だけでなく男性もビタミンD摂取が必要なこともわかる。

では、ビタミンDは1日どのくらい摂取すればいいのだろうか?

ビタミンDにおいては摂取量というより血中濃度が重要で、沢山摂取していても血中濃度が低ければその効果はあまり期待できない。なので、できることなら医療機関で血中ビタミンD濃度を測定することをおススメする。

厚生労働省は最低限必要な血中ビタミンD濃度を20 ng/mL としている。しかし、これは骨密度の低下を招かないための最低量であるので、これ以上を目指す必要がある。

ビタミンDの書籍をいくつか書かれている斉藤糧三氏の書籍によれば、ビタミンD血中濃度の至適値は50~80ng/mLとしている。

ところが、ある調査によると日本の成人の70~80%は血中ビタミンD濃度が25 ng/mLと報告している。

つまり、ほとんどの人がビタミンD欠乏症ということだ。

なので、毎日日光浴をしたり、サプリメントで摂取していない限りはビタミンDは欠乏しいると思っていいだろう。

肝心の摂取量だが、色々な説があるが、先述の斉藤糧三氏の書籍によれば 、血中濃度が40ng/mL以下の場合、1日4000IUを3ヵ月続けてからもう一度血中濃度を測り、至適値になれば1日2000IUで維持するとのことだ。

検査をしなくても、おそらく多くの人がビタミンD欠乏症だろうから、この通りのプロトコルを実践してみてはいかがだろうか。

過剰症に関しては、斎藤氏によれば1日4000IUまでなら安全であろうとのこと。
また、別の書籍によれば、健常な成人であれば1日10000IUまでなら問題ないとされている。

過剰症の症状は、吐き気、嘔吐、食欲不振、体重減少、便秘、頻尿、口渇、高カルシウム血症、血管の石灰化など。

気をつけなければならないのは、慢性腎不全の人で、この場合は少ない量で過剰症になる可能性がある。

それと、ビタミンDとビタミンAは拮抗する栄養素なので、Dを摂取しすぎると、Aが不足する。なので、必ずビタミンAの摂取も忘れないように。

私の場合は、朝ビタミンDを摂取して、夜ビタミンAを摂取している。

ビタミンD

ビタミンDにはD2とD3があるが、必ずD3を選ぶこと。でも、多くのサプリメントはだいたいD3なので問題ないと思う。

過剰症が心配な人は、上の2000IUのものをおススメする。ちなみに私は下の10000IUを冬から花粉の時期にかけて1日2個摂取しているが(花粉症なので)、過剰症になったことは一度もない。血中ビタミンD濃度を測ったことがないので、どうなっているのかはわからないが、多分私の場合はこれくらい摂取しても大丈夫なのだろう。その分、暖かい時期はあまり摂取しないようにしている。

〈参考〉

「ビタミンDと生殖機能」

サーファーに花粉症はいない ~現代病の一因は「ビタミンD」欠乏だった!/斉藤糧三

ビタミンDは長寿ホルモン―不足するとガン、脳、心血管病、糖尿病、関節症等を招く/ 斎藤 嘉美

不妊のための栄養素~ビタミンD~ への1件のコメント

  1. ピンバック : 発達障害のための栄養素~ビタミンD~ – 船橋加圧トレーニングセンター健康スタジオ56

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