発達障害のための栄養素~オメガ3脂肪酸~

これまで「不妊のための栄養素」の記事を投稿してきたけど、それを読んできた人は気が付いたかもしれないが、妊娠のために必要な栄養素の欠乏は、妊娠しにくくなるだけでなく、産まれてくる子供の発達の問題にも直結しているのだ。

つまり、自閉症、学習障害、ADHDなどで知られる発達障害は、妊娠前もしくは妊娠中の栄養不足が原因である場合がある、ということだ。

もちろん栄養不足が全ての原因ではないだろうけど、その可能性も否定できないのではないだろうか。

というわけで、今日からしばらく「発達障害のための栄養素」シリーズをお送りしていきたいと思う。

今回はオメガ3脂肪酸にスポットを当ててみたいと思う。

オメガ3脂肪酸については、以前から何度も記事にしてきたけど、脳にとって大変重要な栄養素であることが様々な研究でわかっている。

  • オメガ3には、抑うつ、衝動性、攻撃性を抑える作用がある。それは、オメガ3には気分を良くしてくれる神経伝達物質であるセロトニンの脳内での量を高める作用があるから。
  • 脳細胞の細胞膜にある脂肪酸の半分はDHAで、それは脳の細胞膜を柔軟にし脳の神経ネットワークを円滑に進めるのに欠かせない。
  • DHAにはアセチルコリン(記憶に重要な神経伝達物質)の量を増やし、学習障害を改善させる傾向がある。
  • 血中のオメガ3脂肪酸の低い少年は、ADD(注意欠陥障害)をはじめ、学習障害、衝動的行動、心配性、かんしゃく、睡眠障害などの行動上のトラブルが明らかに多いという報告がある。
  • 妊娠中にDHAを制限すると、極端に学習能力が低いラットが産まれる。
  • ADHDの子供は、健常な子供に比べて必須脂肪酸レベルが低い。そういった子供たちに必須脂肪酸のサプリメントを与えると、不安、多動、注意欠陥行動が減少した。

これらの事実からも、オメガ3が発達障害と関りが大きいことがわかるだろう。そして、実際にオメガ3の摂取でADHDや学習障害などが改善されたケースも多いようだ。

全ての栄養素においていえることだが、できることなら妊娠する前から十分にオメガ3を摂取しておく必要があるだろう。

しかし、産まれてからでも遅くはなく、ある程度大きくなってからでも十分にオメガ3を摂取すれば、個人差はあれ発達の問題を改善できる可能性がある事が知られている。もし、思ったような効果が得られなかったとしても、脳の機能や体の健康状態は必ず改善されるので、試してみる価値はあるといえる。

その一例を「奇跡の食品」という書籍から「特殊学級児が大学を優等生で卒業した」という話を引用したいと思う。少々長いがお付き合いいただきたい。

ジェニファー・ヒルの三歳違いの息子、リチャードとジェイはよちよち歩きのころからハイパーアクティブ(多動)だった。二人共破壊的で玩具やゲームでおとなしく遊んでいることができなかった。この子らが学校に行く年齢になると、彼女には学校では大変な問題児になることはわかっていた。リチャードは学習障害と診断されて特殊学級に入れられた。

~中略~

リチャードが8歳になったとき、彼女は同意できなかったけれども、医師の指示で、やむなく処方薬のリタリンを飲ませることにした。その結果、症状が一層悪くなるように彼女には思われた。

弟のジェイも大きなトラブルを抱えていた。「ひどいかんしゃくを爆発させますし、話す能力に遅れがみられました。」彼もやがてリタリンを処方されるようになったけれども、効果は全く見られなかった。そして、リチャードには12歳になったときから「片頭痛様の頭痛が始まりました。」

しかし、医師の一人がコネチカットのニューヘブンにあるゲーゼル人間発育研究所のシドニー・ベーカーとレオ・ガーランド両医博を紹介したことで事態が一変した。「彼らはリチャードにあらゆる種類の生化学テストを行いました。そして、血液中の脂肪酸のプロフィールが極めて異常であることがわかったのです。彼らは魚の油からとったEPA/DHAのカプセルをリチャードに与えました。最初は1日に12gという多量でした。そうしたらリチャードの頭痛が消え始めたのです。亜麻仁油と月見草油も与えられ、それによってリチャードは気分の落ち着いてきて、全般に改善がみられるようになりました。」

ジェイはリチャードとは少し異なっていたけれども、やはり血中脂肪酸のプロフィールが異常で、いくつかの脂肪酸の欠乏がみられた。それで治療はEPA・DHAのカプセルを飲むことと、亜麻仁油を飲むことから始められた。「それは本当に良く効きました。」どれくらいの効果があったか、母親は今でも鮮明に思い出すことができる。その翌年のジェイのナショナル・アチーブメント・テストの成績は、第60百分位から第90百分位に跳ね上がった。「私も夫も本当に興奮しました。」と、ジェニファーはいう。それはヒル・ファミリーの新し時代の始まりであった。

リチャードは学習障害を克服して高校をクラスで3番の成績で卒業した。そしてアメリカ中西部の有名大学を優等で卒業した。ジェイも高校をトップ10%の成績で卒業し、カリフォルニアの世に聞こえた大学を優等で卒業して優等生学生友愛会に選抜された。「それは、彼らの人生を変えてしましました。もしもあのままだったら彼らの人生は違ったものだっただろうと思うと泣きたくなってしまいます。脂肪酸の欠乏に気づかずにそれを是正しなかったとしたら、それはあまりにも悲惨な人生だったと思います。ほんのわずかの脂肪が子供の脳と行動にそれだけの途方もなく大きな効果を及ぼすことができるというのは信じがたいのいですが、しかし、それはできるのです。私たちはそれを知っています。」

「奇跡の食品/ジーンカーパー」

これだけ大きく改善するのはレアなケースかもしれないが、この兄弟はオメガ3の摂取で、発達障害を克服したといえるのではないだろうか。

オメガ3の欠乏状態は、この兄弟のように特定の医療機関で測定してもらうのがいいと思うが、小さな子供をそういったところに連れて行くのはなかなか大変なことだと思う。

そこで、以下の兆候を確認することで、ある程度オメガ3の欠乏状態が判断できるので、気になる人は確認してみよう。

  • ひどく喉が渇く
  • 頻尿
  • 乾燥肌
  • ドライヘア
  • ふけ
  • 二の腕、肘、大腿部などに小さなかたい隆起ができる

上記のような兆候がいくつか見られるようなら、オメガ3の欠乏が疑われるので、今すぐお子さんにオメガ3の投与を検討していただくといいだろう。

摂取量は以前も紹介したように、大人でオメガ3脂肪酸で1.6~2.4gが目安だが、子供の場合はどれくらいを目安にすればいいだろうか?

ジュリー・マシューズの著書「発達障害の子供が変わる食事」によれば、EPAで500~1000mg、DHAで250~500mgを推奨している。合わせると、750~1500mgといったところだ。だいたい大人の半分くらいで良さそうだ。

ただ、先ほどの例のリチャードとジェイは最初1日12gも摂取している。12gとはオメガ3脂肪酸での量なのか、魚油としての量なのかわからないが、いずれにしろ、かなりの量であることは間違いない。

それと、これまで何度も言ってきたが、これだけの大量のオメガ3を摂取する場合は必ずビタミンEやセレン、リポ酸などの抗酸化物質を一緒に摂取するようにしよう。発達障害とビタミンEの関係に関しては、また後日紹介したいと思う。

オメガ3脂肪酸

一般的なオメガ3のカプセルはとてもでかいので、小さい子供にはとてもじゃないが飲める大きさではない。上に紹介した2つのサプリは子供でも割と飲める大きさなので、小学生以上ならトライしてもいいと思う。

上のオメガ3ミニジェルであれば、1日3~5個で900~1500mgのオメガ3脂肪酸が摂取できる。

ただ、それでも錠剤を飲むのが厳しいというお子さんや、幼稚園以下のお子さんには、下記に紹介する液状のオメガ3をオススメする。魚臭くもなく大変飲みやすいので、小さなお子さんでも大丈夫だろう。

注意点として、オメガ3はたいへん酸化しやすいので、温かいものに混ぜてはいけない。それと、できれば何にも混ぜずに直で口に入れた方が飲みやすい。混ぜると魚臭さが際だつし、油が浮くので飲みにくく感じるかもしれない。

〈参考〉

「奇跡の脳つくる食事とサプリメント/シーン・カーパー」

「奇跡の食品/ジーン・カーパー」

「発達障害の子供が変わる食事/ジュリー・マシューズ」

発達障害のための栄養素~オメガ3脂肪酸~ への1件のコメント

  1. ピンバック : 発達障害のための栄養素~ビタミンB群~ – 船橋加圧トレーニングセンター健康スタジオ56

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL