発達障害のための栄養素~鉄~

「不妊のための栄養素~鉄~」の記事でも紹介した通り、妊娠中の鉄欠乏は、胎児の神経発達に支障を生じてしまう。

私はこれまで何人もの発達障害の子供に体操と栄養指導をしてきたが、ほとんどの子が鉄欠乏状態で、多くの母親が妊娠前と妊娠中に貧血で鉄剤を処方されていたと話してくれた。

以下に、鉄が不足した際の胎児の神経障害について記したいと思う。

  • 協調運動,移動運動,言語理解と発語,視覚認知機能などの障害
  • 注意・関心の低下
  • 易興奮性
  • 異食症
  • 言語能力,視覚運動統合,微細運動などの障害
  • 言語機能,視覚認知,空間記憶,選択的注意,実行機能課題,学習面,運動面, 行動面の障害
  • 泣き寝入りひきつけ
  • レストレスレッグ症候群(むずむず足)

「小児と思春期の鉄欠乏性貧血/加藤陽子」 より

まさに発達障害の子どもの症状そのものと言っていいだろう。

その他、アレキサンダー・シャウス著「栄養と犯罪行動」から鉄欠乏に関する記述を抜粋したいと思う。

  • 鉄欠乏は落ち着きのなさ、興奮しやすさ、分裂的な行動をもたらす。
  • 普通の教室場面で学ぶ能力を、そこなうくらいの水準にまで達した行動パターン。

このように、鉄欠乏がADHD様の症状をもたらす原因にもなりうるということだ。

お子さんが鉄欠乏かどうかを確認するには、医療機関で貧血の検査をする必要がある。その際「フェリチン値」の測定を追加してもらおう。フェリチンは体内に貯蔵している鉄のことで、貧血の指標であるヘモグロビンが正常でもフェリチンの値が低ければ鉄欠乏の症状を呈することになる。

それでも、わざわざ医療機関に連れていくほどじゃないのでは?と思っている方は、とりあえず以下の項目をチェックしてみるといいだろう。

  • まぶたの裏の色・・・まぶたの裏が白、もしくはピンク。
  • 舌・・・舌の表面が平らで、光沢があり、赤みを帯びている。
  • 顔色・・・血色が悪く、やらた白いか黄色っぽい。
  • 爪の状態・・・爪が薄くて弱い、爪の中央がえぐれている。
  • 髪の毛・・・髪の毛が細くて弱い。良く抜けるし、良く千切れる。
  • 体力・・・極端に体力がなく、すぐ疲れる。
  • 体温・・・低体温

上記の項目をチェックしてもらい、当てはまる項目が多いようなら迷わず医療機関で検査してもらうことをおススメする。

それと、鉄欠乏の子供は食道粘膜が萎縮してしまい、サプリメントを飲みこめない子が多い。(大人も同様)

さて、もし医療機関でフェリチン値を測定した場合、どのくらいの数値ならいいのだろうか?

精神科医で鉄たんぱく欠乏の改善で多くの精神疾患患者を治療している藤本徳美医師によると、フェリチン値は100ng/mL 以上を目標にするといいようだ。

しかし、一般的なフェリチン検査の正常範囲は25ng/mL以上250ng/mL未満なので、例えば検査数値が30ng/mL 程度だったとしても担当医師は問題ないと判断して、鉄剤は処方されないだろう。

しかし、そうだとしても鉄補給をしなければ鉄欠乏は改善しないので、サプリメントでの摂取をおススメする。

それと、フェリチンというのは鉄とタンパク質が結合したものなので、タンパク質の摂取も忘れてはならない。大人の場合は体重1kgあたり1gの摂取でいいが、子供の場合は1.5gくらいは摂取したほうがいいだろう。

鉄のサプリメントも他のミネラル系サプリメントと同じで、様々な成分でキレートされているものが販売されている。そのなかでも、「フェロケル」というビスグリシン酸でキレートされたものがおススメだ。

これは他のものより吸収がよく、鉄剤特有の胃の不快感や便秘などの症状が出ないように設計されている。

摂取量は、鉄欠乏の度合いにもよるが、フェリチンが不足しているとわかったら上記のサプリメントを1日1~3個摂取してもいいと思う。フェリチンが100を超えてきて、鉄欠乏症状が治まったら、一旦やめるか1日おきに1個の摂取にしてもてもいいだろう。

上で紹介したサプリメントは、カプセルタイプで割と小さめなので、幼稚園の年長くらいからなら飲めると思うが、先述のとおり鉄欠乏の子はサプリメントの飲み込み自体受け付けない子が多いので、その場合はカプセルから取り出してヨーグルトなどに混ぜてみたり、下記のようなチュアブルタイプのものがいくつかでているので、それを試してみるのもいいかもしれない。

これはフェロケルではないけど、同じように吸収率がよく、胃腸に負担をかけない設計になっている。そして鉄だけど色が白く見た目も悪くないし、鉄臭くなく味もそれほど悪くない。

〈参考〉

「小児と思春期の鉄欠乏性貧血/加藤陽子」

「栄養と犯罪行動/アレキサンダー・シャウス」

「うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった/藤川徳美」

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