発達障害のための栄養素~ビタミンE~

ビタミンEについては、オメガ3脂肪酸の記事を書くたびに一緒に摂取するように書いてきたけど、発達においてもビタミンEは大変重要な栄養素の一つなのだ。

特に重要なポイントは2つ。

  • 脳下垂体に必要
  • 細胞膜の不飽和脂肪酸の酸化を抑える

以前「不妊のための栄養素~ビタミンE~」でも紹介したように、脳下垂体の形成と機能においてビタミンEが大変重要な役割を担っている。脳下垂体からは様々なホルモンが分泌されるので、脳下垂体の機能不全は、発達におけるあらゆる問題の原因となる。

ネズミの研究ではあるが、ビタミンEの欠乏がネズミの子の発育に著しい障害を起こすとされていて、ビタミンEの欠乏は外科手術で脳下垂体を取り去った時と色々な面でよく似た変化がみられたという。つまり、ビタミンEの欠乏は栄養的に脳下垂体が取り去られたのと同じことになる。

そして、脳下垂体を取り除かれたネズミは、頭蓋骨形成にある種の障害が生じるようで、鼻孔部や顔の前面が十分に発達せず、それとともに鼻や歯列弓がせまくなる。これらは発達障害の子の特徴ともいわれている。

ちなみに、多くのダウン症の子には脳下垂体の明確な未発達がみられるという。

そして、ビタミンEは健全な細胞膜の形成にも欠かせない。

全ての細胞は細胞膜に覆われていて、細胞への栄養の取り込みや、老廃物の排せつなどは細胞膜によってコントロールされていて、どんなにサプリメントなどで栄養を摂取しても、細胞膜が適切に働かなければ何の役にもったない。

細胞膜の主な成分は不飽和脂肪酸で、これは大変酸化しやすく、酸化してしまえば細胞膜の扉は適切に働かなくなってしまう。この不飽和脂肪酸の酸化を防ぐのが、ビタミンEなのだ。

「発達障害とビタミンB群の記事」でビタミンB群の効果を引き出すにはオメガ3が必要だと書いたが、同じようにビタミンEも必要なのがこれでわかると思う。

体内の不飽和脂肪酸はビタミンEなどの抗酸化物質が体内で欠乏していると、連鎖的にどんどん酸化して過酸化脂質になってしまう。これを「不飽和脂肪酸の自動酸化」といいい、この時に酸素も大量に消費されてしまうので、体内は酸欠になってしまう。酸欠になれば脳内も酸欠になってしまうので、まともに脳は働かなくなってしまう。これを防ぐのもビタミンEの役割なのだ。ちなみに、発達障害の子は抗酸化能力が低いとも指摘されているので、ビタミンEの摂取はよけいに必要になってくるだろう。

最後に、三石巌氏の著書「ビタミンE健康法」にビタミンE摂取による発達障害改善例が掲載されているので紹介したいと思う。

第一例は、三歳の幼児の場合である。彼はひっきりなしに泣きわめき、食卓では食器を放りだした。食事の時は全身をシーツでくるんで、チューブから流動食を無理に流し込むような始末であった。食欲もないのである。これに対してあらゆる医療が加えられたのであるが、すべては無効であった。

最後の手段として医師が試みたのは、ビタミンEの投与である。400単位のビタミンEを、1日に4回という処方であった。効果は3週間後にあらわれ、異常な行動はなくなり、食欲も出てきた。

中略~

ビタミンEの大量投与によって、ホルモンの産生が急速に正常化し、症状の回復を見たと考えたらどうだろうか。

第二例は、知能の遅れた12歳の女児の場合である。彼女は絶えず泣いたりわめいたりして乱暴を働くので、いつも何かに縛り付けておかなければならなかった。そればかりか、まともに話も出来ず、何かをたずねても答えられなかった。トイレへ行くこともできなかった。さまざまな薬が与えられたが、良くなる兆しは見えなかった。そこで、ビタミンEの登場となるのだが、結果は早くも40日であらわれた。そして1年後には泣き叫ぶこともなく、おとなしくなり自分で食事ができるようになった。

この症例が知能と呼ばれるものが、幼年時代には大幅に流動的であることを示している。それは、ホルモンのアンバランスによって、容易にかき乱される性質のものではあるまいか。

子供のビタミンE投与に関する報告には、知能の改善のほか、協調性の回復、どもりの治療などがあげられている。これらの場合、ビタミンCの大量が併用されている。

「ビタミンE健康法/三石巌」

ビタミンEの摂取量に関しては、この第一例にあるように400単位を1日4回、つまり1日1600IUまでは摂取していいだろう。これはかなりの量だが、ビタミンEは、他の脂溶性ビタミンの様に過剰症の心配はないので、400~800IUで変化がみられない場合は、このくらいまで増やしてみる価値はある。そして、ビタミンCの摂取も忘れないようにしたい。

【ビタミンE】

このサプリは1個で400IUの天然ビタミンEが摂取できるので、いいと思う。別にこれでなくてもいいのだけど、天然でミックストコフェロールでコスパがいいというところがおススメポイントだ。子供ならこれを1日1~2個で充分だと思うが、先ほどの例にもあったように、2ヵ月以上継続しても成果がみられないようであれば、1日4個まで増やしてみてもいいかもしれない。

ただ、小学生くらいなら大丈夫だと思うが、幼稚園児やさらに小さい子供だと錠剤が飲めなくて大変だと思うので、その場合は「リキッドタイプ」のものあるので、試してみるのもいいだろう。

〈参考〉

「食生活と身体の退化」

「ビタミンE健康法」

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